トビバコ企画者インタビューvol.7

こんにちは!共立女子大学です! 

私たちは今、トビバコ2年間の活動をまとめた冊子を作成中です。 

それにあたり企画者の方々にインタビューをしています! 

今回は五味部屋の運営と駄菓子屋をされている松原さんにインタビューをさせていただきました。 

担当は武田、伊澤です。 

──はじめに、トビバコでの活動内容をお聞かせください。 

毎週水曜日の14時くらいから17時まで、小学生の学校が終わる時間に合わせて駄菓子屋さんをしています。私は駄菓子を売って、子どもたちが好きなことをして遊んでいるのを見守っています。 

また、「五味部屋」といって五味太郎さんの絵本をご本人からの寄贈も含めて200冊以上置いています。 

──五味部屋はトビバコの象徴のひとつでもありますよね。 

私自身も含め子育てをしていると、どうしても将来のためとか、何かのため、意味とか、そういったことに囚われがちになってしまいますが、「今を大事に!」という五味太郎さんの想いに動かされ、「五味部屋」としての運営を始めました。五味さんの「逃げてもいい」という考え方、日常や学校、家や友達…キミの居場所はそこだけじゃないよ、という想いが子どもたちにも伝わればいいなと思っています。 

──この活動を始めたきっかけはありますか。 

元々、お友達などに声をかけ、様々なファミリーを誘ってお遊び会を開くのが好きでした。そんな時に、市報でトビバコが出来ることを知り、地域のファミリーや子ども達などと関われる“遊びの場”としての拠点になるんじゃないかと思い、手を挙げて始めてみました。また、当時、小学校に入ったばかりの息子の口癖が「つまんない」でした。学校、塾、習い事に追われる日々・・・。毎日を「つまんない」で終わらせてしまうのは勿体ない!「つまんない」を「今日は楽しかった~」に変換できる場所にしたいと思いました。 

──友達家族を誘ってのお遊び会は素敵ですね。私も小さい頃そういった機会がある時はワクワクしていました。ちなみに、屋号「ヨリミッチもぐもぐ」の名前の由来はありますか。 

家族で「あそびやさん」の名前は何がいいかな?って話をしている時に、子どもが「”よりみち”って楽しいよね」「食べものをモグモグ食べられると楽しい」という意見を取り入れて、最終的に「ヨリミッチもぐもぐ」という名前を子どもが考えてくれました。 

──主に小学生の子どもたちが利用していると思いますが、子どもたちはどのようにトビバコを利用していますか。また、1日にどのくらいの子どもたちが訪れますか。 

人それぞれ、自由です(笑)おしゃべりを楽しむ子もいれば、カードゲームを持ってきて対戦する子、アクセサリーキットを持参して集まる女の子たちもいれば、何もせずにみんなの様子を見てるだけの子、さまざま。私は何も用意していません。「場」があるだけで、子どもたちは楽しそうに過ごしています。 

また、ここに来れば誰か友達に会える!と言って来る子もいます。だいたい20~30人くらい、遊びに来ますね。駄菓子があるっていうのも、子どもたちにとっては、大きな魅力の一つみたいですね。 

──子どもたちにとっての自由な場、秘密基地になっていることが想像できます。特に印象的なエピソードなどはありますか。 

ある時、学校で喧嘩をしていた友達同士が、たまたまトビバコで顔を合わし、最初は気まずそうにしていたけど、帰る頃には、握手して仲直りする姿がありました。また、ふと、「今日学校でこんなことあってさ・・・」と愚痴や嫌だったことを漏らす子もいます。聞くだけしかできないけれど、親でも先生でもない、第三者の大人だから言えたり、こぼせることもあるのかな?と思って、子ども達の「逃げる場所」「吐き出せる場所」=「心を解放できる場所」になっていたらいいなとは思いますね。 

──松原さん自身もお仕事をされていてお忙しいと思いますが、トビバコで活動を続ける理由はありますか。 

自分でも模索中です。何のために続けるんだろう?って(笑)日常が忙しくても、仕事でもないのに続ける意味・・・子どもたちのためとか、地域のため、とかそんな綺麗ごとではなく、常に、私の声かけはこれで良かったのかな?などと、子どもたちと向き合う時間では多々問われます。大人としての姿勢やあり方、常に試されている想いです。 

それと、今は、毎週毎週「今日は五味部屋、開いてる?開けて~!行きたい!」と楽しみに待ってくれているので、それを裏切れない想いが強いですね…(苦笑) 

──お子さんを学校に行かせている保護者としても学校での姿が想像できると安心しますよね。トビバコがこの先どのようになって欲しいですか。 

本当は、常時開いていて、曜日や時間に固定されず子どもたちが遊びに来られる場になったら望ましいなと思います。が、そうなるには多くの人手やサポートが必要になってくるので、簡単ではないかと思います。私個人としては、今の環境で続けられることがありがたいですし、継続できる形を望めたら嬉しいです。子どもたちの大切な場を一緒にサポートしてくれる方がいたら協力していただけたら嬉しいです。 

また、様々な世代の方々や地域の方など、横のつながりができるのが望ましいと思います。実現はしていないけれどトビバコって色んなことができそうな場所だと思うんですよね。私自身もトビバコの他の方々の企画も楽しみにしています。 

──駄菓子屋、五味部屋が週に一回だけ開いているからこそ、子どもたちにとって特別感やワクワク感があるのだと感じます。トビバコの企画者同士でのつながりをさらに深めて、新しいトビバコのあり方をこれから実現してきたいです。 

【編集後記】 

松原さんとは企画者会議や夏祭りなどで、何回かお会いさせていただいています。トビバコでの子どもたちのエピソードを写真とともに楽しそうに話す松原さんを見て、子どもの想いや考えを尊重して子どもを大切にされている、とても素敵な方だとあらためて感じました。また、遊び方は何通りもあっても遊ぶ場所が少ない小学生たちにとって、トビバコは、誰の家でもない第二の家のようになっていると感じます。私もトビバコはいろいろな可能性を秘めた場所だと感じているので、今後新しいトビバコのあり方を実現していけたらと思います。(伊澤) 

トビバコが、“子どもたちがやりたいことをやらせてあげたい”という松原さんの想いを実現できる場所になっていてとても嬉しく思いました。子どもたちを近い距離から見守る松原さんのお話からは子どもたちがどのように過ごしているのかなど、トビバコの雰囲気がよく伝わってきました。学校ではあまり関わらなかった子どもたちが、トビバコで仲良くなったり一緒に遊んだりと、子どもたちにとってもトビバコという場所がとても親しみやすく、居心地の良い場になっているのだと実感しました。30人ほど来るという駄菓子屋の様子はぜひ実際に見てみたいです!(武田)