トビバコ企画者インタビューvol.2

こんにちは!共立女子大学です!

私たちは今、トビバコ2年間の活動をまとめた冊子を作成中です。

それにあたり企画者の方々にインタビューをしています!

前回はトビバコ管理人であるminglelingoの西村達也さんと西村愛子さんへインタビューをし、とても面白い話を聞くことができました。

今回は同じくトビバコ管理人であり、Green Mind Labo Pebblesを運営されている太田風美さんにインタビューをしました。担当は伊澤、藤木です。

──はじめに、トビバコでの活動内容をおきかせください。

まずトビバコの管理人としての役割とトビバコでPebblesの活動をしている事業者、企画者としての役割があります。

──Pebblesでは再生プラスチック製品を扱っていると聞きました。トビバコでのPebblesの活動内容をおきかせください。

具体的にPebblesとしてはトビバコの一室を再生プラスチックステーションとし、再生プラスチック製品の回収、加工、販売まで行っています。お客さんにお越しいただいて、ワークショップを行うこともあります。

──トビバコの前身である富士見BASEでも空き家の利活用をされていたと聞きました。まず富士見BASEに参加した経緯を教えてください。

当時、コロナ禍で自宅から半径数キロかしか外出しない生活であったため、調布市の市報をちゃんと読むようになりました。自分の住んでいる町のことをきちんと知ろうと思って。

そこで「富士見町チャレンジショップ」という名前で空き家を使って何か事業をやってみたいという人を募集しているという内容の掲載があり、そこに応募しました。

──それは元から空き家の利活用している場を求めていたのですか?

その市報記事をみつける1、2ヶ月前にプレシャスプラスチックのことを知ったのと、富士見BASEが半年間という期限付きでちょうどよさそう、やってみたいと思いました。

──プラスチック廃棄物を新たな製品に変えていく取り組みをしているプレシャスプラスチックですが、知ったきっかけを教えてください。

コロナ禍だったことで、ずっとフルリモートで仕事を行なっていて、カラフルなデスクで仕事ができたらと軽く考えていて、、、プラゴミのリサイクルで机の天板が作れるのではと思っていて調べていました。そこでプレシャスプラスチックの存在を発見することができました。できるじゃん!超やりたい!と思って1ヶ月くらいずっとプレシャスプラスチックについて調べていました。

──プレシャスプラスチックを発見したのがPebblesのはじまりだったのですね。そこから今のトビバコの活動につながっていくと、、、。ではトビバコでの活動で得た発見などはありますか?

自分にお客さんができて嬉しいっていうのはあるんですけど、調布のまちの中で、クリエイター仲間というか何かプロジェクトを持っている仲間に出会えているのが一番嬉しいと思います。もちろんMinglelingoさんはその第一人者ですけど、トビバコの他の企画者の方たちもです。プレシャスプラスチックジャパンコミュニティーに入れているのも嬉しいです。

──先ほどPebblesではワークショップを開催されていると聞きましたが、基本的には子どもを対象にしているのですか?

そうですね、子ども向けにやることが多いですね。小学校中学年から高学年にかけての子が多いです。たまに大学生だったりもします。

親御さんがお子さんに環境教育を教えたいと思ってきてくれる親子や、子どもが主体となってきてくれる時は「なにこれカラフルでかわいい」って来てくれることも多いです。きてくれる方に合わせて両方の文脈でこの活動を語れるようにしています。

──とてもカラフルなものが多く、素敵です。具体的にはどのようなプラスチックを集めてこの作品たちができているのですか?

ペットボトルのキャップ、ガシャポンのカプセル、コンタクトレンズの空ケースなどですね。

ポリプロピレンやポリエチレンと書かれているもので、固くて硬度のあるものがリサイクルできます。

ポテトチップスの袋とかにもポリプロピレンって書かれていたりもするんですけど、あれはリサイクルできないです。

──なるほど。そうなんですね。リサイクルの知識がほとんどなかったので私もワークショプに参加して知識を身につけたいです!これ(下写真)はペットボトルのキャップの配置とかによっても自分でデザインを変えたりできるということですよね?

はい。たとえばキャップを全て上の面に載せた状態でプレスをかけるとキャップ上部に描かれている文字がそのまま浮かんでくるボードができたり、

一度ヒートプレス機にかけて溶けたものを畳んでもう一度プレスするとマーブル模様のようになったり、、、作り方を変えて色々なバリエーションを作っています。

──バリエーションが限られていないからこそ自分だけのオリジナルの作品が作れるのがとても魅力的ですね。

うんうん。それこそ、海外のペットボトルには蛍光ピンク色のものがあったり、世界のゴミはこんな色なんだ!というのもここから知って学ぶこともできます。

──毎回世界で一つだけのものが作れるのですね。話は変わりますが、この二年間管理人と企画者として、トビバコを育てていったと思います。トビバコは今どのような場所になったと思いますか?

なんか尖ってて、面白い企画を持ってる人たちのためのハコになったかと思います。それが別に大人が子どもに対してイベントをするだけじゃなく、子どもたちも自分達で作りたいものがあって、それを発表する場が必要だと思っていて、、、このようなことを含めて「面白いことやりたい」って思っている人たちにとっての居場所というか、拠点になったとすごく思っています。

──利用者にとって居心地のいい居場所なだけでなく、何かに挑戦したい人のための場所にもなっているということですね。

──今後太田さんの活動は調布で続いていきますか?

トビバコが2025年2月にクローズした後は、基本的にはイベント出店をベースに活動を続けていくことになるかと思います。イベント出店に関しては全然調布にとどまるつもりはなくて、23区の方へ出ていくでもいいですし、多摩地域の中で広げていくでもいいです。少しフットワーク軽く、いろんなとこに出ていけるといいかなと思っています。

──今後太田さんの作品でどのようなものを作っていきたいですか?

強いて言えばでっかいものをつくるのにチャレンジしたいです。今は手元にあるヒートプレス機のサイズのものしか作れないので。本当はしっかり大きいヒートプレス機や性能の良いシュレッダーマシンがあればもっと大きいものが作れると思います。見た目の美しさでみんなに広がっていくという力もあると思うのですが、日常的に使うテーブルなどの道具が再生材でできているというのを目指していきたいです。

──今後の太田さんの唯一無二の作品が楽しみです。

編集後記

担当する初めてのインタビューで緊張しましたが、太田さんの富士見BASEからトビバコまでの姿がわかる素敵な記事になったかと思います。普段トビバコではさまざまな活動が行われていますが、そんな身近な場所で太田さんの活動の過程が見られるのはとても貴重でトビバコでしかできないと感じました。トビバコがいかに貴重な場であるかがわかり、トビバコへの愛情が増していきました。太田さんのPebblesとトビバコへの熱い想いが伝わったら嬉しいです。(藤木)

私自身とても緊張して、ぎこちないインタビューとなってしまったのですが、太田さんが質問内容を丁寧に聞いてくださり、丁寧な返答をしてくださったおかげで私の緊張も次第に解けていきました。対談していく中で太田さんの活動に対する想いや考えを知ることができて、私も自分が好きなことや気になることをさらに追求してみようと感じました。

インタビュー後半には太田さんにお客さんがいらっしゃったのですが、その時に私はトビバコの存在意義をさらに感じました。80代の方でご自身もペットボトルを用いたアート作品を作るのだそうです。この日は自身が海外旅行へ行った際に描いたスケッチとともに楽しそうに話をしてくださいました。この方はPebblesの営業日にほとんど毎回、様子を見に来てくださるようで、太田さんとは友達かのように打ち解けて話していました。トビバコという場所があるからこそ、年齢や性別を問わずさまざまな方と関わることができるのだと改めて感じました。(伊澤)